バービー人形 ─ 時代を映すファッションドール

当店のショールームには、クルマと並んで特別な存在感を放つコレクションを展示しております。

その一つにバービー人形があります。店頭では、50周年記念モデルをはじめとした希少なバービーたちを展示しており、訪れたお客様の目を引く存在として親しまれています。

バービーは1959年、アメリカの玩具メーカー「マテル」から誕生しました。きっかけとなったのは、創業者の妻であり、のちにマテルの社長となるルース・ハンドラーが、娘が紙人形で“大人の女性ごっこ”をしているのを見たことでした。当時は赤ちゃん型の人形が主流でしたが、ルースは「子どもたちには、自分の未来を自由に描ける人形が必要だ」と考え、バービーを開発しました。

最初のバービーは、ポニーテールに白黒の水着姿。1950年代のハリウッド女優を思わせる洗練されたルックスでした。以降、バービーは時代とともに姿を変え、ファッションやヘアスタイルだけでなく、その“生き方”にもバリエーションを持たせていきます。キャビンアテンダント、看護師、宇宙飛行士、大統領候補まで、多彩な職業を通して、社会における女性の可能性を表現してきました。

近年では人種や体型の多様性にも目を向け、バリアフリーモデルや性別にとらわれない表現など、よりインクルーシブな方向へと進化を遂げています。バービーは単なる「おしゃれなお人形」ではなく、常に時代の空気と価値観を映し出す“文化の鏡”として進化を続けているのです。

当店がクルマに対して「見た目」や「性能」だけでなく「背景にあるストーリー」にも魅力を感じるように、バービーにも一体一体に込められた想いや歴史があります。50周年モデルなどの記念コレクションには、その節目ごとの“時代性”がデザインやパッケージに反映されており、眺めているだけでも当時の文化が浮かび上がってきます。

こうしたバービーの展示も、私たちの美意識や好奇心を刺激する重要な存在です。ご来店の際は、ぜひショールームの片隅に佇むバービーたちにも目を向けてみてください。時代とともに歩んできた彼女たちの姿に、きっと心動かされる瞬間があるはずです。